庭の生き物つながり
庭の生き物つながり
うちの庭には驚くほどの生物が出入りしている。園芸植物はそう多くはないのだが、勝手に生えてくる雑草とともに、いろいろな虫がいつの間にかずいぶんやってくる。
どの生物もけっして単独では生きていかれない。すべてがつながりあう命。自分でわかる範囲でということになるが、そのすべてを紡ぎだしてみたい。
地中・地下
地面の中は見えないが、まずは『地中生命の驚異』の書き出しの引用から。
新しい発見のためには、地底深く潜ってみるには及ばない。たとえばちょっと裏庭に出て、雑草の根のあたりの土を二本の指でつまみ上げてみよう。10億に近い生物個体、ことによると1万種ほどの微生物を手にしていることになるだろう。その大部分にはまだ名前もなく、分類も理解もされていない。何千本の草のひげ根とからまり合って、顕微鏡で見るほどの薄布のような菌糸が広がり、その全長はインチでなく何マイルというほどになる。ひとつまみの土でこれだけなのだ。標準的に健全な土を掌いっぱい掬えば、そこには全地球の人口より多い生物がいて、何百マイルの菌糸が延びている。
というわけで、「大切なものは目に見えないんだよ」という『星の王子さま』のセリフそのままに、地中こそ最も多くの種類と生物個体がいる。しかも「その大部分にはまだ名前もなく、分類も理解もされていない」。われわれが見ているのは、なんと上っ面の世界であろうか。もうちょっとだけ引用する。
現代の研究室でも、科学者が典型的な土壌資料に見出される微生物のうち1パーセントのものについて、養素を正しく混合して培養ができれば運がよい方だ。成功の見込みがこんなに薄いのは、一部には、地下の生物間の相互依存が複雑なことによる。彼らは隣人たちから切り離されてしまうと生き続けられないのだ。
もしもすべての命を無駄死にさせたくないと思うなら、地面をほじくり返すことはもちろん、おちおち地面の上を歩くことすらできなくなってしまう。
それはともかく、「彼らは隣人たちから切り離されてしまうと生き続けられないのだ」という。まさに生き物つながり。
さて、これらのことをふまえつつ、それでも目に見える世界について触れていこう。星の王子さまの表現は文学的だが、混沌流に論理的に言い換えるとこうなる。
大切なものは目に見えるとは限らないんだよ
すなわち、目に見えるところで大切なところだってもちろんある。ただ、目立つからそこにばかり意識がいってしまうというだけのことだ。
とはいえ、地面の中は見えない。痕跡で判断するか、地上に出てきてそれを知ることになる。私はほとんど庭をほじくり返さないんでね。雑草も引っこ抜かないし。
- 各種ミミズ
- 各種コガネムシの幼虫
ミミズは、雨が降った翌日の晴れの日に地上にあがって来てしまうことはある。また、そうでなくとも、糞土でその存在はわかる。『ミミズのいる地球』によると、けっこうミミズの分類は難しいそうで、それを読んでトライすることはあきらめてしまった。
地表・地面
地表・地面と次の地上・空中との境界はあいまいであり、まあ、適当にやることにする。厳密な生物の分類ではないので。大雑把に言って、植物の場合、勝手に生えてきたのは前者で、意図的なもの(植木鉢等)は後者だ。動物の場合は、主に地面に生活の基盤があり徘徊するものは前者で、主に植物の葉や花などに用があってそこでの生活が主体だったり、訪れたりするものが後者だ。地面での採餌が主と見られる鳥は前者とする。
雑草たち
はじめに昭和天皇の名言を掲げておく。
雑草という草はない
ここには、一つひとつの生命をいつくしむ心が宿っていると思う。とても感銘を受け、共感した。
- ドクダミ
- カタバミ
- トキワソウ
- タチイヌノフグリ
- ハハコグサ
- ウラジロチチコグサ
- ツメクサ
- オニタビラコ
- ハルジオン
- オオアレチノギク
- ヒメムカシヨモギ
- セイヨウタンポポ
- シロバナタンポポ
- ゼニゴケ
- ネジバナ
- ホトケノザ
- ヒメオドリコソウ
- メシヒバ
- スズメノカタビラ
- オランダミミナグサ
- ヤブガラシ
- クワクサ
- オオバコ
虫たち
多すぎて、おそらくあげきれない。ここで虫とは節足動物門に属する動物を指すことにする。
- アリの仲間
- オカダンゴムシ
- ワラジムシ
- ヤスデの仲間
- ムカデの仲間
- トビムシの仲間
- トウキョウヒメハンミョウ
脊椎動物たち
池がないので魚はいないが、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類全部来るぞ。
- アズマヒキガエル
- ヤモリ
- カナヘビ
- スズメ
- ムクドリ
- ドバト
- キジバト
- ウグイス
- シロハラ
- ネコ
- ネズミ
- タヌキ
その他の生き物たち
キノコの仲間もここに入るが、庭でキノコはめったに見ない。プランターに生えているのを見たことはあるけど。
菌類でなくて、植物でもなくて、微生物でもなく、虫でもないとすると残るは(虫の定義にもよるのだが)、節足動物門以外の無脊椎動物。
- ナメクジ
- コウガイビル
地上・空中
翅を休めるものたち
特定の植物に趣味・趣向はなく、葉の上などに止まる虫。
- 各種ハエ
種類はよくわからない。
- 赤トンボ
園芸植物・栽培植物とその周辺のドラマ
- バラ編
- サンショウ編
- ナミアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、アオムシコバチ、スズバチ、コアシナガバチ、スズメ、シジュウカラ、スグリゾウムシ、アブラムシ、アリ
- アサガオ編
- エビガラスズメ、オオタバコガ、イトカメムシ、クロスズメバチ、ハラビロカマキリ、イチモンジセセリ
- ヘチマ編
- サヤエンドウ編
- ヨトウガ、ホソヘリカメムシ、アブラムシ、ヒラタアブ
- ダイズ編
- インゲンマメ編
- ダイコン編
- ヒマワリ編
- 各種ハナバチ、ワカケホンセイインコ、カワラヒワ、オンシツコナジラミ、ブタクサハムシ、クサカゲロウの仲間、ナミテントウ、キイロテントウ、カブラヤガ、ヨトウガ、コアシナガバチ
庭の有機的な人工物
木製の柵
- ヤマトハキリバチ
- コアシナガバチ
- コンボウヤセバチ
竹製のベンチ
- オオフタオビドロバチ
混沌の間>庭の生き物つながり
初回更新:2012-05-27 (日) 04:30:29
最終更新:2014-06-21 (土) 09:59:35
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